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La Famille Mouton

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生きててくれてありがとう

昨日は姉と甥と3人で亘理町の被災した姉の家の片付けに行ってきました。
お天気が良かったので泥も乾きだいぶ家らしさが戻りました。
私の大切な甥は津波に飲まれながら助かりました。
彼に会うたびに生きていてくれて良かったと何度も言ってしまいます。
彼が立っているのは古い家にあった井戸に渡した板の上です。
左側には古い家、右側には納屋が建っていましたが今は跡形もありません。
道路側に建てた母屋だけが残りました。
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大変な経験をし、一緒にいたおばあちゃんを亡くしたのにいつも穏やかな笑顔です。
家の片付けも一所懸命で、またここへ住むのも別に怖くないといいます。
片付けの合間に家の周りを歩いて
「ここまではばあちゃんと一緒だった」
「このへんで板にしがみついて助かったけど雪が降ってきて寒かった」
「ここの家の2階に上げてもらって助かった」
と淡々と話してくれました。

後日避難させてくれた家のおじさんが甥の様子を心配してきてくれて
「あの日は震えながらおばあちゃんのことをずっと心配していた」と話していたそうです。

現地の様子は想像を絶するむごさです。
ここで写真を紹介する気にはとてもなれません。
そんな中、泥と油とがれきの混ざった海水に襲われながらクロッカスや水仙の花がけなげに咲いていました。
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おばあちゃんの畑ではブロッコリーや白菜が成長を続けていました。
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汚染された水に何日も浸っていたので食べることはできませんが、生命力の強さには驚かされました。
鳥の鳴き声が聞こえる穏やかな日でしたが、目の前の風景とのギャップが夢なのか現実なのかわからなくさせます。
帰りに通った港のあたりはさらにひどい被害で住宅の上に船があったり、家という家は崩されていました。
がれきの中自衛隊や他県のレスキューの車が列をなして通り過ぎる風景はまるで戦場のようでした。

どうか、想像力を働かせ、被災者の気持ちを感じてください。
興味本位で被災地へ出向くことは絶対に止めてください。
道路状況も悪く危険ですし、何より復旧の邪魔になります。
by lafamillemouton | 2011-04-07 09:15
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